【由来を解明】目玉マークをデザインしたのは吉田カツ!人間の目に込められた意味
フジテレビの目玉マークをデザインした人物は、イラストレーターの吉田カツ(よしだ・かつ)です。
2013年5月22日、マイナビニュースはフジテレビ広報部への取材を掲載。デザイナーの選定方法から、目をモチーフにした理由、実際の制作過程まで紹介しました。
吉田カツが採用された経緯

目玉マークのデザインは、最初から特定のデザイナーに決められていたわけではありません。
フジテレビ広報部の説明によると、制作は指名コンペ形式で進められ、複数の候補から選考した結果、吉田カツの作品が採用されました。
吉田カツは、雑誌『CITY ROAD』や『MUSIC MAGAZINE』の表紙などを手掛けたイラストレーターです。力強く、ポップな表現を得意とし、印象に残るビジュアルを生み出してきました。
その作風は、従来のテレビ局の社章とは異なる、個性的な目玉マークにも反映されています。
なぜ人間の目がモチーフになったのか
フジテレビ広報部が説明したデザインの目的は、次の2つです。
- あたたかさ: 見る人に冷たい印象を与えず、親しみを感じてもらう。
- 親しみやすさ: 幅広い世代に受け入れられ、覚えてもらえるデザインにする。
さらに興味深いのは、吉田カツ自身が目を選んだ理由です。
マイナビニュースの取材によると、吉田は「人に強い印象を与えるもの」として、人間の目を描くことを決めたといいます。
制作方法も独特でした。
広報部の説明では、黒いリキテックスを鉛のチューブから直接スケッチブックに押し付け、大きな目玉を一気に描き上げたとのことです。
つまり、現在の目玉マークの原点は、コンピューター上で整然と設計された図形ではなく、画材を直接使った手描きの原画にあります。
この原画を基に、企業のシンボルとして使用できるロゴマークが作られました。
デザインの特徴は「記憶に残るシンプルさ」
目玉マークには、企業ロゴとして優れた特徴があります。
1. 認識しやすい形状: 人間の目という身近なモチーフを採用している。
2. 独自の色彩: カラフルな配色によって、ほかのテレビ局のマークと区別しやすい。
3. 視覚的なインパクト: 中央の目が視線を集め、遠くからでも印象に残りやすい。
4. 応用のしやすさ: 番組画面、広告、看板、印刷物など、さまざまな媒体に展開できる。
ここで注目したいのは、目玉マークが単に「テレビを見る」という行為を表現しただけのデザインではないことです。
見る側と見られる側の関係を連想させる目というモチーフを使いながら、企業としての親しみやすさも表現しています。
【制定の歴史】1985年に誕生した目玉マークとフジサンケイグループの関係
目玉マークの歴史を理解するには、フジテレビだけでなく、フジサンケイグループ全体の企業戦略を見る必要があります。
実は、このマークはフジテレビだけのロゴとして生まれたわけではありません。
フジサンケイグループの統一シンボルとして制定
2013年のマイナビニュースによるフジテレビ広報部への取材では、目玉マークは1985年4月にフジサンケイグループ各社の統一シンボルとして制定されたと説明されています。
当時のグループには、テレビ、新聞、ラジオ、出版など異なる事業を展開する企業がありました。
各社がそれぞれ異なる企業イメージを持っていると、グループ全体としての認知度を高めにくくなります。
そこで共通のシンボルを設けることにより、企業間の一体感を視覚的に表現する狙いがありました。
フジテレビの公式沿革にも、1985年7月の出来事として「新しいコーポレートマークと社名ロゴを制定」と記録されています。
この2つの日付は、広報取材で説明されたグループ統一シンボルの制定時期と、フジテレビ公式沿革に記されたコーポレートマーク・社名ロゴの制定時期という、それぞれ異なる記録です。したがって、どちらか一方だけを目玉マークの唯一の制定日として扱うより、1985年のCI導入過程として理解するのが適切です。
フジテレビだけのロゴではない!グループ各社との関係
目玉マークの重要な特徴は、グループ企業を横断する共通のシンボルであることです。
| 関連エンティティ | 主な役割・関係 |
|---|---|
| フジテレビジョン | 目玉マークで知られるテレビ放送事業会社 |
| 産経新聞社 | グループの新聞事業を担う企業 |
| ニッポン放送 | グループのラジオ放送事業を担う企業 |
| 吉田カツ | 目玉マークの原型を制作したイラストレーター |
| フジサンケイグループ | 1985年に統一シンボルを制定したグループ |
| フジ・メディア・ホールディングス | フジテレビなどを傘下に置く認定放送持株会社 |
ここで誤解しやすいのが、フジテレビの目玉マークとフジサンケイグループの企業ロゴの関係です。
目玉マークはフジテレビという放送局の識別だけを目的としたものではなく、グループとしての共通性を示す役割を持っています。
そのため、フジテレビの番組や局舎で見かける機会が多くても、デザインの背景にはグループ全体のCI戦略が存在しています。
【歴代ロゴ比較】旧8マークと現在の目玉マークは何が違う?
旧8マーク
目玉マーク
フジテレビの歴代ロゴを調べると、必ず登場するのが旧「8マーク」です。
この2つは、デザインの方向性だけでなく、誕生した背景も大きく異なります。
旧8マークは亀倉雄策のデザイン
旧8マークは、数字の「8」をモチーフにしたシンボルです。
デザインを手掛けた人物として知られるのが、グラフィックデザイナーの亀倉雄策です。
亀倉雄策は、日本を代表するグラフィックデザイナーの一人です。
日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の公式プロフィールによると、1915年に新潟県で生まれ、1960年の日本デザインセンター設立に参画。1978年にはJAGDAの設立にも携わり、初代会長を務めました。
東京オリンピック関連のデザインなどでも知られる人物です。
旧8マークが象徴していたのは、フジテレビのチャンネル番号です。
フジテレビは1959年3月1日に放送を開始しました。当時のアナログ放送では、関東地域のチャンネル番号が8だったことから、数字の8を図案化したマークが局の象徴として使われました。
旧8マークから目玉マークへの変化
旧8マークと目玉マークの違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 旧8マーク | 目玉マーク |
|---|---|---|
| デザイナー | 亀倉雄策の作として知られる | 吉田カツ |
| モチーフ | 数字の8 | 人間の目 |
| 主な意味 | 放送チャンネルの識別 | 親しみやすさ・企業イメージ |
| 制定・使用の歴史 | 1959年の開局期から使用 | 1985年制定 |
| デザインの印象 | 幾何学的・シンプル | カラフル・印象的 |
| 主な役割 | 放送局のチャンネルシンボル | グループ統一のコーポレートシンボル |
この変化は、テレビ局のブランド戦略が変わったことを示しています。
旧8マークは、視聴者が放送局を識別するための意味合いが強いデザインでした。
一方、目玉マークは、テレビという事業の枠を超え、複数の企業が共通して使用できるシンボルとして設計されています。
旧8マークは完全に消滅したのか?
答えは、完全には消えていません。
目玉マークが新しい企業シンボルになった後も、旧8マークはフジテレビの歴史を象徴する存在として残っています。
代表的なのが、東京・台場のフジテレビ本社FCGビルに設置されている8マークのモニュメントです。
現在の目玉マークと旧8マークは、単純に新旧の優劣で比較するものではありません。
前者はグループの企業イメージ、後者はフジテレビの放送局としての歴史を象徴するものです。
この役割の違いを理解すると、なぜ旧8マークが現在も残されているのかが分かります。
【デザイン分析】フジテレビの目玉マークが長く愛される理由
1985年に制定された目玉マークが、2026年になってもフジテレビを連想させるデザインとして知られている理由は何でしょうか。
デザインの観点から見ると、特に3つの特徴があります。
1. 人間の目という普遍的なモチーフ
目は、人間にとって非常に身近な存在です。
年齢や性別、文化的な背景に関係なく、誰もが形を認識できます。
企業ロゴでは、複雑な説明がなくても認識できることが大きな利点です。
目玉マークは、テレビ局という情報を発信する企業の性質とも親和性があります。
ただし、広報部が説明している公式な意図は、あくまで「あたたかさ」と「親しみやすさ」です。
監視や監視カメラを意味するという解釈や、特定の政治的・宗教的な象徴だという説明は、公式のデザインコンセプトとは異なります。
2. 色彩による視覚的な個性
目玉マークは、カラフルな色彩と黒い目の組み合わせが特徴です。
一般的な企業ロゴには、単色や落ち着いた色を採用するものも少なくありません。
それに対して、フジテレビの目玉マークは、テレビ局らしい華やかさと親しみやすさを感じさせます。
特にテレビ画面では、短い時間で視聴者に認識してもらう必要があります。
視覚的な特徴が明確なロゴは、番組のオープニングやエンディング、CMの切り替わりでも識別しやすくなります。
3. 原画の個性を残したデザイン
もう一つ見逃せないのが、吉田カツの手描きによる原画の存在です。
均一な線や機械的な図形だけでは表現しにくい、力強さや独特の存在感が目玉マークにはあります。
ロゴは企業の顔として長期間使用されるものです。
そのため、流行のデザインを追い過ぎると、時代が変わったときに古く見えてしまう可能性があります。
目玉マークの場合、人間の目という普遍的なモチーフを中心に据えたことで、1980年代のデザインでありながら、現在でも認識しやすい個性を保っています。
【2026年最新】フジテレビマークは現在も使われている?変更の歴史と今後
2026年現在、フジテレビの目玉マークはどうなっているのでしょうか。
この疑問に答えるうえで重要なのは、企業のコーポレートマークと、番組ごとに制作されるロゴを区別することです。
目玉マークは1985年制定の企業シンボル
フジテレビ公式サイトの沿革では、1985年7月に新しいコーポレートマークと社名ロゴを制定したことが記録されています。
2026年3月31日現在の会社概要でも、株式会社フジテレビジョンとしての会社情報が掲載されています。
公式沿革には、1985年の制定以降、目玉マークを廃止して別のコーポレートマークに置き換えたという記載はありません。
したがって、2026年現在も目玉マークはフジテレビの歴史的な企業シンボルとして位置付けられています。
目玉マークと番組ロゴは別物
混同されやすいのが、フジテレビの企業マークと番組ロゴの違いです。
例えば、情報番組やバラエティ番組には、それぞれ独自のタイトルロゴがあります。
番組のリニューアルに伴ってタイトルロゴが変更されても、フジテレビそのもののコーポレートマークが変更されたとは限りません。
実際、フジテレビの公式美術関連コンテンツでは、番組ロゴの制作やリニューアルについて、担当デザイナーやコンセプトを紹介しています。
つまり、番組の世界観を表現するデザインと、企業全体を象徴するデザインは、別の役割を担っているのです。
2018年には目玉マークを大胆にアレンジ
目玉マークの使い方が話題になった事例として、2018年のフジテレビの番組改編キャンペーンがあります。
マイナビニュースが2018年3月6日に報じたところによると、同年4月の改編キャンペーンでは、ボクシング選手の村田諒太をイメージキャラクターに起用。
ポスタービジュアルでは、赤いグローブを目玉マークの中央に配置する大胆なアレンジが施されました。
同記事では、制定から30年以上が経過した目玉マークに手を加える初めての試みとして紹介されています。
これは企業シンボルそのものを廃止する動きではなく、既存のブランドイメージをキャンペーンのテーマに合わせて活用した事例です。
2026年に知っておきたいロゴの見分け方
フジテレビのロゴに関する情報を調べる際は、次の基準で整理すると混乱しません。
| 調べたいもの | 確認するポイント |
|---|---|
| 目玉マーク | 吉田カツが原型を制作した企業シンボル |
| 旧8マーク | 亀倉雄策の作として知られる歴史的なシンボル |
| 社名ロゴ | フジテレビの社名を表す文字デザイン |
| 番組ロゴ | 個々の番組のために制作されたタイトルデザイン |
| キャンペーン用デザイン | 既存の企業シンボルを一時的にアレンジしたビジュアル |
特に重要なのは、目玉マークが使われていない番組を見たからといって、フジテレビのロゴが変更されたと判断しないことです。
企業ブランドと番組ブランドは、同じ画面に登場していても別のデザイン体系です。
【プロの結論】フジテレビマークの歴史から分かる企業ブランディングの本質
フジテレビの目玉マークは、単なるテレビ局のロゴではありません。
1985年に制定された背景には、フジサンケイグループ各社の一体感を高め、共通の企業イメージを築くという目的がありました。
そして、そのデザインを生み出した吉田カツは、人間の目という身近なモチーフを使いながら、見る人に強い印象を残す表現を選びました。
ここから読み取れる企業ブランディングのポイントは3つです。
- ブランドの一貫性: 複数の事業会社が共通のシンボルを使用することで、グループとしての認知を形成できる。
- デザインの普遍性: 時代ごとの流行に依存しないモチーフは、長期的なブランド資産になり得る。
- 用途の使い分け: 企業の象徴と番組ごとの個性を区別することで、統一感と表現の自由度を両立できる。
旧8マークと目玉マークの違いも、この視点から考えると明確です。
旧8マークは放送局としてのアイデンティティを表し、目玉マークはグループ全体の企業アイデンティティを表しています。
新旧のロゴは、単に古いものと新しいものという関係ではなく、それぞれ異なる時代の企業戦略を反映したデザインなのです。
【よくある質問】フジテレビマークに関するFAQ
Q1:フジテレビの目玉マークをデザインしたのは誰ですか?
A1:イラストレーターの吉田カツです。指名コンペで選ばれた作品が採用され、手描きの原画を基に現在のマークが制作されました。
Q2:フジテレビの目玉マークはいつ制定されましたか?
A2:1985年です。フジテレビ広報部への取材では、4月にフジサンケイグループの統一シンボルとして制定されたと説明されています。公式沿革では同年7月にコーポレートマークと社名ロゴを制定したと記録されています。
Q3:目玉マークは何を意味していますか?
A3:人間の目がモチーフです。フジテレビ広報部によると、見る人にあたたかさや親しみやすさを感じてもらう意図があります。
Q4:フジテレビの旧8マークは誰がデザインしましたか?
A4:亀倉雄策の作として知られています。数字の8をモチーフにしたデザインで、フジテレビのアナログ放送時代のチャンネル番号に由来します。
Q5:目玉マークはフジテレビだけのものですか?
A5:いいえ。もともとはフジサンケイグループ各社の統一シンボルとして制定されたものです。フジテレビだけでなく、グループ全体のブランド戦略と関係しています。
Q6:旧8マークは現在も残っていますか?
A6:はい。フジテレビ本社のFCGビルには旧8マークをかたどったモニュメントがあります。現在の目玉マークとは異なる、フジテレビの歴史を伝える存在です。
Q7:2026年現在、フジテレビのロゴは変更されていますか?
A7:1985年制定の目玉マークがフジテレビを象徴するデザインとして知られています。番組ごとのロゴ変更やキャンペーン用のアレンジと、企業のコーポレートマークの変更は区別する必要があります。
まとめ:フジテレビの目玉マークは吉田カツが生んだグループの象徴
フジテレビの目玉マークは、1985年にフジサンケイグループの統一シンボルとして制定されたデザインです。原型を制作したのはイラストレーターの吉田カツで、人間の目をモチーフに「あたたかさ」と「親しみやすさ」を表現しています。
一方、旧8マークは亀倉雄策の作として知られ、1959年の開局以来、チャンネル番号の8を象徴してきました。両者はデザイナーも目的も異なり、フジテレビの歴史における重要な節目を示しています。
2026年現在、目玉マークを理解するうえで押さえておきたいのは、単なる局のロゴではなく、グループ全体の企業イメージを担ってきたシンボルだという点です。吉田カツの手描きの発想から生まれたデザインは、企業ブランディングと日本のグラフィックデザインの歴史を考えるうえでも興味深い存在です。
主な参考資料
- フジテレビ公式サイト「企業情報・沿革」
- フジテレビ公式サイト「会社概要」(2026年3月31日現在)
- マイナビニュース「フジテレビの『目玉マーク』にはどんな秘密が?広報さんに聞いてみた」(2013年5月22日)
- マイナビニュース「“聖域”に切り込んだフジ、目玉マークアレンジ&土8明け渡しの覚悟」(2018年3月6日)
- 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)「亀倉雄策について」
- フジテレビ公式「フジテレビジュツのヒミツ」