ヒロシマ・アピールズ2026「まなざし」とは?30作品の歴史・購入方法を徹底解説

目次

2026年、広島から平和へのメッセージを発信するポスター事業「ヒロシマ・アピールズ」が、シリーズ30作品目という節目を迎えた。今年の作品は、アートディレクター・永井一史氏が手がけた「まなざし」。2026年7月17日に公開され、広島市への寄贈と一般販売が始まった。原爆の閃光を見つめる「目」を象徴的に表現し、過去の記憶を現在の私たちに問いかける作品だ。

1983年に亀倉雄策氏の「燃え落ちる蝶」から始まったこの取り組みは、制作の中断と2005年の再開を経て、国内外で平和を伝えるグラフィックデザインの活動へと発展してきた。現在はJAGDA(日本グラフィックデザイン協会)、広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金が関わり、歴代の著名デザイナーが作品をつないでいる。

この記事では、2026年版「まなざし」のデザインと制作背景、1983年から続く歴代ポスターの系譜、主催団体の関係、海外展示、購入価格や販売場所までを整理する。

📌 この記事の重要ポイントまとめ

- 2026年版は「まなざし」: 永井一史氏が制作したシリーズ30作品目のポスター。
- 1983年にスタート: 第1回は亀倉雄策氏の「燃え落ちる蝶」。2005年に制作を再開した。
- 主催は3団体: 広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金、JAGDA広島地区。
- ポスター価格は1,100円: B1サイズで、JAGDAオンラインショップや広島市内の施設で購入できる。
- 海外にも発信: 欧州や北米での展示、国際会議や大使館への寄贈などを通じて平和を訴えている。

【基礎知識】ヒロシマ・アピールズとは?1983年から続く平和ポスター事業

ヒロシマアピールズ

ヒロシマ・アピールズとは、広島が経験した原爆の惨禍と、そこから生まれた平和への願いを、グラフィックデザインという視覚表現によって国内外に伝えるポスターキャンペーンである。

単に平和を訴える標語を掲載するのではなく、見る人の感情や想像力に働きかけることを目的としている。

言葉を超えて「ヒロシマの心」を伝える

事業が始まったのは1983年。

公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)と一般財団法人広島国際文化財団が協力し、広島の記憶と反核・平和へのメッセージを視覚的に発信する取り組みとしてスタートした。

基本的な制作方式は、毎年JAGDAを代表するデザイナー1名がボランティアで新しいポスターを制作するというもの。

参加するデザイナーは、それぞれの時代背景や自身の問題意識を踏まえながら、平和という大きなテーマを一枚の作品に落とし込んでいく。

そのため、歴代作品には文字を中心に構成したもの、象徴的なイラストを用いたもの、写真や造形的な表現を取り入れたものなど、異なるアプローチが存在する。

共通しているのは、見る人に一方的な答えを提示するのではなく、戦争や核兵器について考えるきっかけをつくる点だ。

2026年は記念すべき30作品目

2026年度の作品は、永井一史氏による「まなざし」。

1983年から1990年までの8作品と、2005年から2026年までの22作品を合わせ、通算30作品となった。

なお、30作品という数字は30年間連続で制作したという意味ではない。1991年から2004年までの制作休止期間があり、2005年に再開している。

この点は、シリーズの歴史を理解するうえで押さえておきたい。

【2026年最新】永井一史のポスター「まなざし」は何を表現している?

の2026年版「まなざし」は、永井一史氏がデザインを担当した作品である。

2026年7月17日に公開され、同日、永井氏から広島市長へ寄贈された。

「目」を通して原爆の記憶を表現

作品のタイトルは「まなざし」。

2026年版の特徴は、原爆の閃光が放たれた瞬間に何を見たのか、そして現代を生きる私たちは何から目をそらしてはならないのか、という問いを視覚的に表現していることだ。

広島ホームテレビの公開報道では、原爆の閃光が放たれた瞬間を見た「目」を象徴的に描いた作品として紹介された。

JAGDA公式サイトに掲載された永井氏の制作コメントには、次の言葉がある。

一瞬の閃光。そこで、あなたは、何を見たのか。そして、いま、わたしたちは何から目をそらしてはならないのか。

このメッセージの特徴は、過去の出来事を振り返るだけで終わらない点にある。

「そこで何を見たのか」という問いは、被爆した人々が経験した現実に視線を向けるものだ。一方、「いま、何から目をそらしてはならないのか」という問いは、現在の社会を生きる私たちに向けられている。

つまり、1945年の広島と2026年の世界を、一つの視線で結びつける構成になっている。

永井一史とは?デザインとブランディングの第一人者

永井一史氏は、企業や行政のブランディング、ビジュアルアイデンティティー、事業やサービスのデザインなどを幅広く手がけるアートディレクターである。

多摩美術大学美術学部を卒業後、博報堂に入社。2003年にはデザインによるブランディングを専門とするHAKUHODO DESIGNを設立した。

クリエイター・オブ・ザ・イヤー、ADC賞グランプリ、毎日デザイン賞など、国内外での受賞歴も持つ。

今回の制作にあたっては、過去に広島平和記念資料館を訪れ、佐々木禎子さんの小さな折り鶴が強く印象に残ったことをJAGDAに明かしている。

また、被爆者から直接体験を聞いた経験も、作品の背景にある。

永井氏は30作品目という節目に、核兵器の脅威は過去の歴史ではなく、現在進行形の問題であるとの認識を示した。

この背景を踏まえると、「まなざし」は単なる記念ポスターではない。記憶を受け継ぐ側が、現代の問題にどう向き合うのかを問う作品として位置づけられる。

2026年版の基本情報

項目 内容
作品名 まなざし
シリーズ ヒロシマ・アピールズ2026
制作者 永井一史
公開日 2026年7月17日
作品番号 通算30作品目
寄贈先 広島市
サイズ B1(728×1,030mm)
印刷 TOPPAN株式会社
使用紙 株式会社竹尾のMr.B スーパーホワイト
販売価格 1,100円(税込)

【歴代ポスター一覧】1983年の亀倉雄策から2026年の永井一史まで

ヒロシマ・アピールズの価値を理解するには、歴代制作者の顔ぶれと制作の変遷を知ることが欠かせない。

シリーズには、日本を代表するグラフィックデザイナーやアートディレクターが参加してきた。

1983年「燃え落ちる蝶」がシリーズの原点

第1回作品を担当したのは、当時JAGDA会長だった亀倉雄策氏。

作品名は「燃え落ちる蝶」。

美しい蝶が炎に包まれて落ちていく姿を通じて、原爆によって生命や美しいものが失われる恐怖を象徴的に表現した。

JAGDAの公式アーカイブに掲載された亀倉氏の制作コメントによると、蝶の美しさを際立たせながら、炎を主役として強調することが制作上の狙いだった。

写実的に惨状を描くだけではなく、美しいものが消滅するという対比によって、原爆の不気味さと恐怖を伝えようとしたのである。

この作品は後に「第6回ラハティ国際ポスタービエンナーレ展」で最高賞を受賞した。

2005年に制作を再開した理由

1983年から1990年までは毎年作品が制作されたが、その後は一時休止となった。

制作が再開されたのは、戦後60周年にあたる2005年。

この年の制作者は仲條正義氏だった。

以降、毎年新しいデザイナーが参加する形式が続き、2026年には通算30作品に到達した。

歴代制作者・歴代ポスターの一覧

JAGDA公式発表に基づく全30作品の制作者は以下のとおり。

制作年 制作者 作品・位置づけ
1983年 亀倉雄策 燃え落ちる蝶・第1回
1984年 粟津潔 初期シリーズ
1985年 福田繁雄 初期シリーズ
1986年 早川良雄 初期シリーズ
1987年 永井一正 初期シリーズ
1988年 田中一光 初期シリーズ
1989年 勝井三雄 初期シリーズ
1990年 石岡瑛子 第1期最終作品
2005年 仲條正義 制作再開
2006年 佐藤晃一 再開後の作品
2007年 松永真 再開後の作品
2008年 青葉益輝 再開後の作品
2009年 浅葉克己 再開後の作品
2010年 長友啓典 再開後の作品
2011年 遠藤享 再開後の作品
2012年 奥村靫正 再開後の作品
2013年 葛西薫 再開後の作品
2014年 井上嗣也 再開後の作品
2015年 佐藤卓 再開後の作品
2016年 上條喬久 再開後の作品
2017年 原研哉 再開後の作品
2018年 服部一成 再開後の作品
2019年 澁谷克彦 再開後の作品
2020年 渡邉良重 再開後の作品
2021年 大貫卓也 再開後の作品
2022年 佐藤可士和 再開後の作品
2023年 中村至男 人差し指
2024年 副田高行 遺品が訴えるもの
2025年 北川一成 PEACE
2026年 永井一史 まなざし・第30作品

特に近年の作品は、時代の問題意識を反映している。

2023年の中村至男氏による「人差し指」は、核兵器使用への傍観や人間の弱さを問いかけた作品。

2024年の副田高行氏による「遺品が訴えるもの」は、被爆者が身につけていた衣服を通して原爆の現実を伝えた。

2025年の北川一成氏による「PEACE」は、戦後80年という節目に、白い空間と墨の五文字によって平和への願いを表現した。

そして2026年の「まなざし」では、見ること、記憶すること、目をそらさないことがテーマとなっている。

なお、1987年の永井一正氏と2026年の永井一史氏は別人である。名前が似ているため、歴代制作者を調べる際には混同に注意したい。

【主催団体を解説】JAGDA・広島国際文化財団・ヒロシマ平和創造基金の関係

ヒロシマ・アピールズは、特定のデザイナー個人が独立して運営するプロジェクトではない。

広島の平和への願いを継続的に発信するため、デザイン団体と地域の文化・平和活動団体が連携している。

1. 公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)

JAGDAは、日本のグラフィックデザイン分野を代表する団体の一つ。

ヒロシマ・アピールズでは、デザイナーの選定や作品制作など、デザイン面の中心的な役割を担う。

毎年1名の会員代表がボランティアで制作を担当する仕組みであり、30作品にわたって異なるクリエイターの視点が蓄積されている。

2026年の永井一史氏も、歴代制作者17名とJAGDA広島地区による推薦および複数回の投票を経て選ばれた。

2. 一般財団法人広島国際文化財団

広島国際文化財団は、1983年の事業開始時からJAGDAと協力してきた団体。

ヒロシマの心を広く伝えるという活動の理念を支える存在であり、現在も主催団体の一つとなっている。

3. 公益財団法人ヒロシマ平和創造基金

ヒロシマ平和創造基金は、2012年2月に一般財団法人として設立され、同年8月に公益財団法人の認定を受けた。

ヒロシマ・アピールズの主催には、設立後の2013年から加わっている。

基金は平和活動と国際交流活動を柱に、広島の平和への願いを国内外に伝える事業を推進している。

この3団体にJAGDA広島地区が加わり、現在の運営体制が構成されている。

【海外展示・現在の活動】平和へのメッセージは世界へ広がっている

ヒロシマ・アピールズの特徴は、ポスターを制作して販売するだけで活動が完結しないことだ。

広島市への寄贈、国際会議での展示、海外美術館での展覧会など、作品を実際に人々の目に触れさせる取り組みが続いている。

ジュネーブや欧州での展示から国際的な発信へ

初期の海外展開では、1985年にスイス・ジュネーブで開催された米ソ首脳会談前の原爆資料展で作品が紹介された。

1997年には欧州ヒロシマ展でも取り上げられている。

その後も、平和市長会議の加盟都市への寄贈などを通じて、海外への発信を続けてきた。

主な実績は次のとおり。

- 1985年: スイス・ジュネーブでの原爆資料展で紹介。
- 1997年: 欧州ヒロシマ展で紹介。
- 2016年: G7広島外相会合のプレスセンターで展示。
- 2019年: ローマ教皇の広島訪問に際し、広島市から歴代ポスターを贈呈。
- 2022年: 2022年度版ポスターを岸田首相に贈呈。国内157か所の大使館にも寄贈。
- 2023年: G7広島サミットの国際メディアセンターで展示。

JAGDA広島地区によると、2019年以降はラトビア、オーストリア、ドイツ、カナダ、イタリアなどでも歴代作品の展覧会が開催されている。

2025~2026年も海外展示を実施

2025年から2026年にかけても、海外での展示活動が続いた。

代表的なのが、カナダの国際交流基金トロント日本文化センターで開催された「Hiroshima Appeals: A Poster Exhibition of Global Messages」。

また、イタリアのジェノヴァ市立キヨッソーネ東洋美術館では「Hiroshima Appeals – Messaggi di Pace」が開催され、歴代ポスターが展示された。

ジェノヴァでの展示期間は2025年9月6日から2026年2月15日まで。いずれも歴代作品を海外の人々に紹介する重要な機会となった。

2026年のヒロシマ平和ポスター展

国内でも2026年7月26日から31日まで、旧日本銀行広島支店で「ヒロシマ平和ポスター展2026 “pieces for peace”」が開催された。

展示内容は、ヒロシマ・アピールズの歴代ポスターだけではない。

JAGDA広島・長崎・沖縄地区会員による作品や、デザイン学校生の作品も紹介された。

また、2026年版「まなざし」は、東京ミッドタウン・デザインハブで開催された「日本のグラフィックデザイン2026」展でも、1983年の第1回作品「燃え落ちる蝶」とともに展示された。

広島市内では7月27日から8月9日まで、バス停27か所に2026年版のデザインが掲示された。

小学校での平和教育にも活用

見逃せないのが、教育分野への広がりだ。

ヒロシマ平和創造基金の2026年度事業計画によると、2023年度からJAGDA会員が広島市内の小学校を訪問し、ポスター鑑賞やグラフィックデザイン・芸術に関する課外授業を実施している。

これは、ポスターを完成した作品として鑑賞するだけでなく、子どもたち自身が平和について考え、表現する機会につなげる取り組みだ。

実際に広島市立大州小学校では、JAGDA広島地区の協力のもと、6年生がヒロシマ・アピールズのポスターについて学び、自分たちの平和ポスター制作に取り組んだ事例が公開されている。

作品を見ることから、自分で考えて表現することへ。

こうした教育活動は、被爆体験を直接知らない世代へ記憶を引き継ぐうえで、大きな意味を持っている。

【購入方法・価格】ヒロシマ・アピールズのポスターはどこで買える?

ヒロシマ・アピールズのポスターは、一般販売されている。

2026年版「まなざし」の価格は、1枚1,100円(税込)。

B1サイズのポスターとしては手に取りやすい価格設定で、個人での鑑賞やコレクションにも適している。

2026年版の販売場所

主な購入先は以下のとおり。

販売場所 購入できる商品
JAGDA Online Shop 2026年版ポスター・ポストカードセット
広島平和記念資料館ミュージアムショップ 2026年版ポスター
広島市平和記念公園レストハウス 2026年版ポスター・関連商品
広島市現代美術館ミュージアムショップ「339」 2026年版ポスター・関連商品

広島を訪れる予定がある人は、原爆資料館や平和記念公園周辺で購入する方法もある。

オンライン購入の価格と注意点

JAGDA Online Shopでは、2026年版ポスターを1,100円(税込)で販売している。

ポスターはB1サイズで、印刷はTOPPAN株式会社、用紙は株式会社竹尾が協力している。

オンライン購入では、商品をカートに入れ、配送先や決済方法、配送方法を入力して注文する。

送料は商品によって異なる。通常は注文から1週間前後で届く案内となっているため、購入時に表示される合計金額と納期を確認したい。

歴代ポスターも購入できる?

2026年版だけでなく、2005年以降の歴代作品もJAGDAオンラインショップで取り扱われている。

ただし、すべての年度が購入できるわけではない。

JAGDA公式の2026年版案内では、2006年版・2007年版・2013年版が完売とされている。

そのため、特定のデザイナーの作品を探している場合は、購入前に商品ページで在庫状況を確認するのが確実だ。

全30作品を集めたポストカードセットも販売

歴代作品をまとめて楽しみたい人には、ポストカードコレクションもおすすめだ。

2025年に戦後80年を記念して制作された全29作品のセットに、2026年版「まなざし」を加えた改訂版が2026年7月に発売された。

項目 内容
商品名 HIROSHIMA APPEALS POSTERS POSTCARD COLLECTION
収録数 全30作品
価格 2,500円(税込)
サイズ 105×148mm
発行 JAGDA広島地区企画
送料 JAGDAオンラインショップでは送料無料

各作品の制作者コメントやプロフィールも確認できるため、ポスターのデザインだけでなく、制作意図まで知りたい人に向いている。

大判のポスターを飾りたい人は単品購入、歴代作品を比較したい人はポストカードセットという選び方ができる。

【よくある質問】ヒロシマ・アピールズに関するFAQ

Q1:ヒロシマ・アピールズとは何ですか?

A1:1983年に始まった平和ポスター事業です。JAGDAと広島国際文化財団が共同でスタートし、現在はヒロシマ平和創造基金とJAGDA広島地区も主催に加わっています。毎年、JAGDA会員の代表デザイナーがボランティアで作品を制作しています。

Q2:2026年版ポスターの制作者と作品名は?

A2:アートディレクターの永井一史氏が制作した「まなざし」です。2026年7月17日に公開されたシリーズ30作品目で、原爆の閃光を見た「目」を象徴的に表現し、過去の記憶と現代の私たちを結びつける作品となっています。

Q3:ヒロシマ・アピールズのポスターはいくらで購入できますか?

A3:2026年版は1枚1,100円(税込)です。JAGDA Online Shopのほか、広島平和記念資料館ミュージアムショップ、平和記念公園レストハウス、広島市現代美術館のショップ「339」などで購入できます。

Q4:歴代ポスターをまとめて購入できますか?

A4:全30作品の図柄を収録したポストカードコレクションが販売されています。価格は2,500円(税込)です。歴代制作者のコメントやプロフィールも確認でき、シリーズ全体を振り返るのに適しています。

Q5:2026年のポスターは何作品目ですか?

A5:通算30作品目です。1983年から1990年までの8作品と、2005年から2026年までの22作品を合わせた数です。1991年から2004年までは制作休止期間にあたります。

まとめ:【プロの結論】ヒロシマ・アピールズは30作品で終わらない平和の記録

ヒロシマ・アピールズは、1983年の亀倉雄策氏による「燃え落ちる蝶」から始まり、2005年の制作再開を経て、2026年に30作品目の「まなざし」へと到達した。

その歴史には、粟津潔氏、福田繁雄氏、田中一光氏、石岡瑛子氏、原研哉氏、佐藤可士和氏など、日本のグラフィックデザインを代表するクリエイターが名を連ねている。

2026年の永井一史氏による「まなざし」が印象的なのは、過去の悲劇を伝えるだけでなく、現在を生きる人々に問いを投げかけている点だ。

海外展示や国際機関への寄贈、小学校でのデザイン教育など、活動の場も広がっている。

この事業の本質は、一枚のポスターを制作することではなく、平和への問いを次の世代へ引き継ぐことにある。

ポスターを購入するなら、2026年版を部屋に飾ってメッセージを日常の中で感じる方法もあれば、全30作品のポストカードセットで歴代デザイナーの表現を比較する方法もある。

特にデザインを学ぶ人には、同じ「平和」というテーマが、時代や制作者によってどのように異なる視覚表現へ変化してきたのかを読み解く資料としても価値がある。

30作品目は到達点であると同時に、新たな出発点でもある。広島から発信されるこのメッセージが、これからどのようなデザインとなり、世界の人々に届けられていくのか。今後の活動にも注目したい。

主な参照資料(公式発表・一次資料)

- JAGDA「ヒロシマ・アピールズ」2026年版・永井一史氏の制作コメント、展示情報、歴代制作者一覧。
- ヒロシマ平和創造基金「ヒロシマ・アピールズポスター」事業概要・販売場所。
- JAGDA「ヒロシマ・アピールズ1983」亀倉雄策氏の制作コメント。
- JAGDA HIROSHIMA「ヒロシマ・アピールズとは」海外展開・寄贈実績。
- JAGDA Online Shop 2026年版ポスター・30作品ポストカードセットの商品情報。
- JAGDA 2025年版公式発表、歴代作品と海外展示情報。