【海外利用は2026年9月28日開始】対応国・料金・必要な設定を解説

目次

2026年の大きな進展が、SoftBank Starlink Directの海外展開だ。ソフトバンクは2026年9月10日に海外提供を発表し、9月28日から実際のサービスを開始した。

これにより、対象国へ旅行・出張した際、現地の携帯電話基地局の電波が届かない山間部や国立公園などでも、対応するスマートフォンから衛星通信を利用できるようになった。

2026年11月現在の海外対応国一覧

ソフトバンク衛星通信



アメリカ
2026年9月28日開始
現地通信事業者:T-Mobile

提供中


カナダ
2026年9月28日開始
現地通信事業者:Rogers

提供中


ニュージーランド
2026年9月28日開始
現地通信事業者:One New Zealand

提供中


フィリピン
2026年秋に提供開始
現地通信事業者:Globe Telecom

提供中

4カ国以外については、今後の対象国・地域の拡大が予定されている。海外で利用できるのは、各国の指定通信事業者がStarlink衛星通信を提供しているエリアに限られる。

海外でも追加料金なしで使える?

海外利用についても、対象プランであれば追加料金なしで利用できる。対象となる料金プランは、国内利用と同様にソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOで異なる。

ただし、海外での利用には「世界対応ケータイ」への加入が必要だ。このサービスへの加入自体は無料だが、未加入の場合は衛星通信の海外利用条件を満たせない。

海外利用で必要な対応機種・OS

海外では国内と異なるOS要件が設定されている。

- iPhone:iPhone 13以降、iOS 27.0以上
- Android:国・地域および機種ごとの対応状況を確認する必要がある。

Androidについては、2026年10月13日以降にGalaxy S26シリーズなどが海外対応機種として順次追加され、10月30日にはAQUOS R10とGalaxy A57 5Gについても海外利用が案内された。

つまり、国内でSoftBank Starlink Directに対応しているAndroid端末だからといって、海外でも必ず利用できるわけではない。渡航先と機種を組み合わせて対応状況を確認する必要がある。

海外利用の設定方法

iPhoneの場合、国内利用時の設定に加えて、データローミングをオンにする必要がある。位置情報サービスも有効にしておく。

海外では現地通信事業者との接続条件が加わるため、ネットワーク選択を自動に設定することも確認したい。

また、海外で利用できる対象アプリは国内と同一ではない。ソフトバンク公式FAQでは、海外での利用可能アプリとしてLINEとYahoo!メールが案内されている。国や通信事業者によって利用できる機能が異なるため、国内の対応アプリ一覧をそのまま海外に当てはめることはできない。

海外では日本国内向けの緊急速報メールは受信できない。現地の緊急情報については、国・地域や現地通信事業者の条件によって受信できる場合がある。

【法人向け衛星通信との違い】Starlink Business・OneWeb・SatPackを比較

ソフトバンクの衛星通信サービスを調べると、個人向けのSoftBank Starlink Direct以外にも、Starlink Business、Eutelsat OneWeb、SatPackという名称が登場する。

これらは同じ衛星通信という分野に属するが、目的も通信方式も異なる。個人がスマートフォンで連絡手段を確保するサービスと、企業や自治体が現場にインターネット環境を構築するサービスを混同してはいけない。

4つのサービスの関係と違い

サービス 主な用途・特徴 主な利用者 SoftBank Starlink Direct スマホと衛星が直接通信。SMS・対象アプリ中心 個人・一般利用者 Starlink Business 専用アンテナによる高速・大容量インターネット 企業・自治体・船舶 Eutelsat OneWeb 閉域接続や帯域確保に対応する衛星通信 官公庁・企業・重要拠点 SatPack 衛星回線を使った可搬型の広域Wi-Fi環境 建設現場・自治体・防災拠点

Starlink Business:法人向けの高速衛星インターネット

は、ソフトバンクがStarlink認定インテグレーターとして提供する法人向けサービスだ。

SoftBank Starlink Directと異なり、専用のStarlinkキットを設置してインターネット回線を構築する。オンライン会議、ビデオ通話、大容量データの送受信、ウェブサイトの運営など、業務で必要になる幅広い通信に対応する。

ソフトバンクの公式案内では、通信速度は最大で下り220Mbps、上り25Mbps。陸上プランと海上プランがあり、建設現場や災害時のBCP対策、船舶などでの利用を想定している。

料金は利用条件やプランに応じた個別提案となり、法人営業への問い合わせが必要だ。

Eutelsat OneWeb:セキュリティと帯域確保を重視

は、欧州の衛星通信事業者Eutelsatが展開する低軌道衛星通信ネットワークを利用する。

ソフトバンクのサービスでは、SmartVPNと直接接続することで閉域ネットワークを構築できる点が特徴だ。一般的なインターネット接続だけでなく、機密性の高い情報を扱う企業や自治体の需要を想定している。

公式案内では下り最大195Mbps、上り最大32Mbps。帯域確保型のプランを選択でき、陸上固定設置、陸上可搬、陸上移動、海上という利用形態が用意されている。

契約にはアンテナなどの機器購入や事務手数料が必要で、SmartVPNへの接続も必須となる。料金は個別見積もりで、導入にはアンテナ手配やネットワーク開通などの時間も必要だ。

SatPack:現場一帯をWi-Fi化する可搬型サービス

は、通信設備の整っていない現場に衛星回線を持ち込み、周辺をWi-Fiエリア化するサービスだ。

2025年12月18日に提供が発表され、2026年3月25日には小型化・省電力化したSatPack Miniが登場した。

特徴は、専用設備を現地に設置することで半径約300mの広域Wi-Fi環境を構築できること。工具不要で、最短約5分で設営できると案内されている。

ソフトバンクの公表価格は次の通りだ。

- SatPack Mini本体:90万円(税抜)
- ソーラー発電オプション:10万円(税抜)

このほか、別途Starlink Businessの契約が必要になる。避難所や建設現場、自治体の臨時拠点などで、複数のスタッフが同じ通信環境を利用する場合に適した仕組みだ。

清水建設の工事現場での検証についても、ソフトバンクはSatPack Miniの設置性や広範囲での通信環境構築の有用性を紹介している。

【プロの結論】利用目的で選ぶべき衛星通信は変わる

4つのサービスを比較すると、選択基準は明確だ。

- 登山や旅行で自分のスマートフォンからメッセージを送りたいなら、SoftBank Starlink Direct。
- 建設現場や事業所に高速インターネットを導入したいなら、Starlink Business。
- 閉域ネットワークや通信品質の確保を重視するなら、Eutelsat OneWeb。
- 災害時の避難所や広い建設現場で複数人がWi-Fiを共有するなら、SatPack。

特に重要なのは、SoftBank Starlink DirectをStarlink Businessの小型版と考えないことだ。前者はスマートフォンと衛星を直接つなぐサービス、後者は専用設備を設置してインターネット環境を構築するサービスである。

個人の連絡手段を補うことと、組織全体の通信インフラを確保することでは、求められる通信性能も運用方法も違う。この区別ができれば、自分に必要な衛星通信サービスを選びやすくなる。


【よくある質問】ソフトバンク衛星通信に関するFAQ

Q1:ソフトバンクの衛星通信は無料で使えますか?
A1:対象のソフトバンク料金プラン、ワイモバイルのシンプル・シンプル2・シンプル3、LINEMOベストプラン・ベストプランVでは追加料金なしで利用できます。ただしLINEMOの対象プランは2026年冬(予定)までオプション申し込みと全額割引という移行措置があります。対象外プランでは月額1,650円のオプションが必要です。

Q2:ソフトバンクの衛星通信は申し込みが必要ですか?
A2:ソフトバンクの対象プランとワイモバイルの対象プランでは新たな申し込みは不要です。LINEMOは対象プランでも2026年冬(予定)までオプション申し込みが必要です。対応機種、OS、端末設定も確認してください。

Q3:iPhone 13でも衛星通信を利用できますか?
A3:利用できます。国内ではiPhone 13以降の対応モデルが対象で、iOS 26.4以上が必要です。海外ではiOS 27.0以上という条件があります。

Q4:衛星通信で110番や119番に電話できますか?
A4:できません。SoftBank Starlink Directは音声通話と緊急通報に対応していません。緊急地震速報、津波警報、国民保護情報の一部を受信できる機能とは別です。

Q5:LINEは圏外でも使えますか?
A5:対応機種であれば、衛星経由でテキストメッセージや位置情報を送受信できます。ただし、スタンプ、絵文字、画像・動画の送受信、音声通話、ビデオ通話、プッシュ通知には対応していません。

Q6:海外ではどこの国で使えますか?
A6:2026年11月1日時点では、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、フィリピンの4カ国です。指定された通信事業者の衛星サービス提供エリア内で、対応機種とOS、世界対応ケータイへの加入などの条件を満たす必要があります。

Q7:ワイモバイルやLINEMOでも利用できますか?
A7:利用できます。ワイモバイルはシンプル、シンプル2、シンプル3が追加料金なしの対象です。LINEMOはベストプランとベストプランVが対象で、2026年冬(予定)までの移行措置があります。

Q8:圏外なら建物の中や車内でも使えますか?
A8:原則として利用できません。建物内部、地下、トンネル、衛星との見通しが確保できない車内や樹木の密集地では接続できない、または不安定になる可能性があります。


まとめ:ソフトバンク衛星通信を賢く使うための判断基準

2026年11月現在、SoftBank Starlink Directは、ソフトバンクの通信エリアを補完する新しい通信手段として国内外に利用範囲を広げている。

4月10日の国内提供開始から、9月28日の海外展開、10月の対応機種拡大へと進み、対応するスマートフォンや利用できる地域も増えてきた。

特に、登山、キャンプ、離島への旅行、海上活動など、普段の携帯電話回線が届きにくい場所でメッセージを送れることは大きな利点だ。災害時にも、地上の基地局が使えなくなった場合の補完的な連絡手段として期待できる。

一方、通常のインターネット回線と同じ感覚で利用することはできない。音声通話や緊急通報は非対応であり、データ通信も対象アプリに限定される。空が見えること、対応機種であること、契約プランの条件を満たすことが利用の前提になる。

利用を検討するなら、次の4点を優先して確認したい。

1. 契約プラン:月額1,650円のオプションが必要かどうか。
2. 対応機種:データ通信まで使える機種なのか、SMSのみなのか。
3. 利用環境:衛星との見通しが確保できる屋外なのか。
4. 利用目的:メッセージ中心の個人利用なのか、高速通信が必要な法人利用なのか。

衛星通信は、地上の携帯電話ネットワークをすべて置き換える技術ではない。地上の基地局と衛星通信を組み合わせ、これまで通信できなかった場所に新しい選択肢を増やす技術だ。

今後、対応国や機種、アプリの拡充が進めば、日常生活だけでなく、防災、観光、物流、建設、海洋産業などでも活用の幅が広がる可能性がある。現段階ではサービスの限界を正しく理解し、必要な場面で地上回線を補う通信手段として活用することが、最も合理的な選び方だ。